「社会の絆で地域力を再生」をテーマに講演
11月28日に立命館大学で、30日に京都大学で現役学生のみなさんに「社会の絆で地域力を再生」をテーマに講演をしました。
今日、私たちの身の回りで、不登校、いじめ、児童虐待といった子育て・教育の問題、器物損壊や街頭犯罪など身近な犯罪の増加など安心・安全に対する懸念が生じていますが、貧富や地域間など「格差」の問題が、この問題をさらに複雑化しています。
「社会の絆(人と人のつながり)」と「個性と活力ある地方」といった、まさに戦後の日本を支えてきた社会の基盤が今大きく揺らいでいる気がします。こうした問題に対処し、日本のバランスを取り戻すためには、地方分権、地域主権のもとで社会の絆を強め、地域力を再生するとともに、「もうひとつの価値観」を提起していくことが求められていると思います。それは、経済や開発優先でなく、文化、環境との共生をめざし、過剰な利追求ではなく、日本の伝統に培われた高度な技術力を礎としたものづくりの原点に戻らなければならないということではないでしょうか。
京都には昔から「地域で協働する力」、「自然と共生する力」、「ものづくりを大切にする力」、「文化を育み世界に発信する力」が備わっています。例えば、この「やまだ通信」12号でも御紹介した「五山送り火」や、この夏、知事のわいわいミーティングで取り上げた「広河原の松上げ」などの伝統的行事は、特定のスポンサーがないにもかかわらず、地元やボランティアの人々に支えられて、何十年、何百年と続いています。
地域の人たちが協力して子どもを見守る「子ども・地域安全見守り隊」はわずか半年で府内全小学校区で結成されました。カナダで始まった地域住民と企業がいっしょになって森林を守る「モデルフォレスト」の取組でも、京都は全国に先駆けて、「京都モデルフォレスト協会」という中核組織を立ち上げることが出来ました。ものづくりでは、京都の試作産業振興の核となるソーシャルエンタープライズとして今年の夏に設立された「京都試作センター株式会社」には、既に500社を超える企業と数多くの大学や研究機関が参加して、活発な活動が進められています。
このように京都には、もうひとつの価値観に基づいて、新しい日本のモデルになる力があると思います。あとはそのために人や地域の力をいかに引き出し、発信していくかにかかっていると思っています。
とかく、年配者は「今の若い者は・・・」と言いますが「京都学生祭典」を見ても、若者のひたむきな気持ちは、時代を超えて今も健在です。私の講演を熱心に聴いてくれた学生たちからも、新しい時代を切り拓いてゆくエネルギーを肌で感じることができました。彼(女)らがいる限り、京都の未来は明るい。そのためにも、若者が思う存分、力を発揮できるような社会をつくっていかなければならない。そんな思いを新たにした2日間でした。
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