トップ
みんなでつくる希望の京都−山田啓二の希望のマニフェスト−
やまだ通信
メディア情報
プロフィール
後援会
リンク集


21世紀臨調のホームページ

 
大 小

やまだ通信


VOL.18 2007年09月18日

マニフェスト時代の地方行政
〜 早稲田大学マニフェスト研究所(所長・北川正恭前三重県知事)
自治体ファイナンス部会講演(平成19年8月28日)から 〜

今春の統一地方選直前に公職選挙法が改正され、首長選に限られているものの、地方選でもビラの配布が認められることとなりました。事実上のマニフェスト解禁後初の統一地方選として、大きく注目され、有権者の地方自治への関心を高めるきっかけとなり、真の地方自治の実現へ向け、一歩前進したのではないかと思います。

私も昨年、全国知事会の政権公約評価特別委員会の委員長として、精力的に各方面へ地方選挙でのマニフェスト配布が可能となるよう法律改正を要請してきましたが、関係する皆様の御尽力により、なんとか今春の統一地方選に間に合う形で公職選挙法が改正されました。

マニフェストと従来の公約とがどう違うのかと言いますと、従来の「公約」は総花的なよいことを並べ、具体性と実現性に乏しいのに対し、「マニフェスト」は、数値目標、期限、財源、工程表などの具体的な政策・手法を明示するため、実行されたかどうかを後で検証することができ、有権者は首長を客観的な指標で評価しやすくなると言われています。

今回の公職選挙法の改正以前−昨年の私の選挙でもそうでしたが−は、マニフェストを作成しても、選挙期間中には配ることは難しく、有権者にしっかり伝えることができませんでした。

それが今春、A4版のビラ1枚ではありますが、有権者への配布が法的に認められたことは、有権者がマニフェストの概要を知ることが出来ますし、そこに書いてあるアドレスからホームページを通してマニフェスト全文を閲覧できますので、それなりの前進だったと思います。

今春の統一地方選以降の全国の知事選挙で、55人の候補者のうち約6割の32人がマニフェストを掲げて戦いました。「ローカルマニフェスト」が普及し、そして、今後もますます進むことはまちがいありません。ただ、「ローカルマニフェスト」を推進してきた一人として、少し危惧していることがあります。

マニフェストが普及し、多くのものが作られてくると、目標値や財源など具体的な数値が並べられながらも、実は明らかに実現不可能であったり、矛盾しているようなものが見受けられるようになったことです。

例えば、「人員を1割以上削減する」などの表現がみられますが、都道府県の4分の3を占める教員や警察官の定数は法令定数以下に削減することはできませんので、残りを知事部局で削減しようとすると、知事部局は半分以下に削減しなければならないといった、明らかに無理なものがあります。また、「ダムを止めればその額が乳幼児医療の無料化に回せる」と書かれたものもありますが、ダムには国の補助金がきますが、単独事業の乳幼児医療には補助金がありませんので、そのままの額を回すことは出来ませんし、ましてやダムは単年度のハード事業であるのに対し、乳幼児医療は継続するソフト事業であり、同じ視点で論じることは無理があります。

しかし、このようなことに、多くの有権者の皆さんが気づくことは難しいし、また客観的な評価を行うことの出来る機関も確立されていないため、当選するやいなや、すぐに撤回という事態も起きることになります。

これでは、旧来の公約よりもマニフェストは具体性があるだけに、かえって政治不信を煽り、マニフェストに対する信頼を損なうことになります。

マニフェストの普及が本格的な段階、第二ステージに入った今、私は、マニフェストを作るときの基本的なルールが作られるべきではと考えており、有権者がマニフェストを見極めるポイントのようなものも示すべきだと思います。
例えば、
(1)ハード事業とソフト事業を区別する、
(2)国庫補助事業から財源を捻出する場合は国庫補助分を控除する、
(3)起債事業からの財源捻出は、償還時にカウントする、
(4)人員の法令定数分は定数削減対象からはずす、
(5)人員の定数削減は、原則、定年退職者数の範囲内とする、
(6)任期内で実施することと、任期を超えて実現を目指すことを区別する、といったルールが必要ではないでしょうか。

さらに、マニフェストの評価は、これからの選挙において、有権者にとって、最も重要なことであります。マニフェストも作りっぱなしではなく、進行度のチェックや事後評価はかかせません。「マニフェスト公表」→「選挙」→「政策実行」→「事後評価」→「マニフェストの進化」といったサイクルをうまく回していけば、活きた選挙・地方自治が進められ、真の民主主義が実現していくでしょう。

そのためにも、しっかりした作成支援体制と評価体制の整備が今求められていると思います。


サイトマップ
サイトマップ トップ