山田 啓二(やまだ けいじ)

みんなでつくる希望の京都。

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やまだ通信

京都府知事ブログ

丹後半島の美しい海岸線をめぐる -2009.9-

京都府は南北に長い。観光というと京都市が中心になりがちで、京都府に海があることさえご存じない方もおられるのは本当に残念です。
仕事で京都府北部の丹後半島を訪れると、自然景観の美しさに感動すら覚えます。京都にこんな素晴らしい地域があることを是非多くの皆さんに知っていただき、訪れていただきたいものです。
また、丹後地域には、弥生~古墳時代にかけての古墳が5,000以上も残されており、貴重な歴史的遺物も多く出土しています。平成6年に弥栄町(現京丹後市)の黒部銚子山古墳で「青龍三年鏡」が出土した時は、「卑称呼の鏡が出土した」と全国にも一躍名をはせました。「丹後王国論」や「羽衣伝説」などにロマンを感じるのは私だけではないでしょう。

歴史的にも興味深い丹後地域ですが、なんといってもこの地域のすばらしさは海岸線の美しさです。海沿いを巡る丹後半島一周道路からは、安山岩の柱状節理が経巻を並べたように見えることからその名がついたともいわれる「経ヶ岬」をはじめ、周囲が約1キロメートルもある玄武岩の岩塊「立岩(たていわ)」、日本海が迫る断崖上に柵状の田畑が広がる「筆石(ふでし)海岸段丘」、屏風を立てたような「屏風岩(びょうぶ)」、犬が寝そべっているように見える「犬ケ岬」など、変化に富んだ美しい海岸地形をながめることができます。

丹後地域の伝統的地場産品である絹織物「丹後ちりめん」も、burari02このように美しくも厳しい風土と独特の歴史文化が育んできたもの。素晴らしい自然環境とともにしっかり守っていかねばなりません。

丹後地域には高速道路で京都からまっしぐら、と言いたいところですが、まだ一部つながっていないところがあります。現在、京都縦貫道の整備に力を注いでおり、平成26年には名神大山崎から京丹後市の大宮まで開通する予定です。

マイカーもいいですが、列車の旅もオススメです。京都駅からJRの特急列車に乗って約2時間で宮津。そこから第3セクターの近畿タンゴ鉄道に乗り換えます。2両編成のかわいらしい車両には女性のトレインアテンダントさんがいて、旅の案内など笑顔でおもてなしというのもうれしい。旅をしているな~という気分になれそうです。
列車を乗り継ぎ、バスに揺られて海岸道路を行く。心はすっかり「さすらいの旅人」というところですね。

宇治茶の里でほっこり -2009.11-

私は、現地・現場主義をモットーに府内各地に出かけていき、直接府民の皆さんと自由に語らう「知事と和ぃ和ぃミーティング」を平成14年から実施していて、もう80回以上やっています。
府南部の山城地域の和束町にも、この「和ぃ和ぃミーティング」で訪れました。季節は秋の深まる昨年11月。和束町は隣接する南山城村とともに、府内のお茶の二大産地で、「宇治茶の郷 和束の茶畑」は京都府景観資産第1号に選ばれています。

「和ぃ和ぃミーティング」が終わってから、地元の皆さんが茶畑に案内してくれました。さすが茶園面積府内一の和束町。緑深い茶の木がまるで段々畑のように、緩やかな山の斜面に沿って見渡す限り一面に連なっています。自然に深呼吸したくなるようなすがすがしさは、まさに日本の原風景という感じ。お茶は飲むとほっこりしますが、茶畑の景色を眺めても同じようにほっこりするんだ、と新しい発見です。
続いて地域の皆さんが運営する「和束茶カフェ」に案内してもらい、おいしいお茶と手作りケーキをいただきました。素朴な味と和やかな雰囲気にここでもまた、ほっこり。お茶って本当にいいですね。

宇治茶の栽培は、800年前に京都市北西部の栂尾(とがのお)高山寺の明恵上人の勧めで始まりました。以来、山城地域の先人達が自然条件や地理的メリットを活かしながら、技術を開発して栽培を広げ、今や全国に名だたる「宇治茶ブランド」として多くの皆さんに愛飲されています。総生産量では静岡県に及びませんが、てん茶や玉露などの高級茶の生産量は全国一です。
「茶道」は、京都から世界に発信する日本文化の心ともいえますが、宇治茶は、千利休の時代からこの「茶の湯」の文化を支え続けているのです。

5月の新茶の季節には、山城地域の各地で茶摘み体験などが行われますが、burari03秋から冬にもかけても、お茶まつりやお茶会などの楽しいイベントがあります。是非一度おいでいただき、日本人にとってなじみの深いお茶のことをもっと知って、味わい、楽しんで、宇治茶の魅力を満喫していただきたいですね。

鴨川沿い“なからぎの道”をぶらり -2009.4-

京都市北区雲ヶ畑に源流を発する鴨川は、京都市の東を北から流れ下り、伏見区下鳥羽で桂川に合流します。
まちなかをゆったり流れる様は、私たちの心を癒してくれます。また、二条大橋から五条大橋に沿って料亭が設ける納涼床は、初夏から秋口にかけての京の風物詩となっています。

全国的にも有名な鴨川ですが、私のオススメはそこから少し上流の北山橋から北大路橋間の“なからぎの道”です。実は自宅から近いので、私の散歩コースになっていて、それこそぶらりと足を向ける場所なのです。
特にオススメは桜の季節。桜並木が連なり、満開時は空気まで桜色に染まりそうです。きらきらと輝く水面を見ながら桜並木を散歩すると、春の訪れに心が浮き立ちます。

思えば、鴨川はかつて氾濫を繰り返す暴れ川として知られていました。burari01平安時代末期に権勢をふるった白河法皇ですら、自らの意に沿わないものの筆頭に「賀茂の水」を挙げていたそうです。なからぎの道を散策しながら、先人たちの苦労に思いを馳せ、改めて安心・安全のための備えの大切さを心に刻みます。

なからぎの道の東側には府立植物園があります。大正13年(1924)に開園した大変歴史ある植物園で、四季の草花が咲く花壇や洋風庭園、日本最大級の観覧温室が整備されているほか、自然林の森や日本各地に自生する植物を自然に近い状態で植栽した植物生態園など自然的な景観も楽しめます。広々した芝生広場もあり、小さい子どもさんが駆け回っても安心です。

うららかな春の休日に、桜を愛でながらなからぎの道をぶらりと散策し、そのあと府立植物園で森林浴をしたり、芝生広場に寝転んで昼寝したり・・・やってみたいですね。

日本の原風景 美山を訪ねて -2009.7-

京都の自然のすばらしさは「里山」のすばらしさだと常々思っています。そびえ立つ山脈ではなく、そこに暮らす人々が分け入り、木を切ったり、炭を焼いたり、キノコや山菜などを採ったりして手を入れながら守ってきた里山。私たちは、今こそ、自然と共生する暮らしを営々と続けてきた里山人(さとやまびと)の知恵に見習うべきところがたくさんあるのではないでしょうか。

南丹市美山町は、そんな里山の中でも私がしばしば訪burari04れたいと思う地域です。京都府のほぼ中央にあって、三国岳、頭巾山、長老山など800~900メートル級の山が連なっており、その間を縫うように由良川が流れています。川沿いの集落には昔ながらの茅葺き民家が250棟も残っていて、特に、北村集落(北地区)には江戸時代に立てられた茅葺き民家が多く残り、山の風景と民家の佇まいが相まってすばらしい景観と雰囲気を醸し出しており、文化庁の『重要伝統的建造物群保存地区』に選定されています。

茅葺き民家が点々と建ち並ぶ山裾をのんびり歩いていると、とんびが「ピーヒョロロ…」と鳴きながら空に円を描いて飛んでいたりして、まさに日本の農村の原風景だなー、としみじみ感じます。集落の近くにはふるさと産品を売るお店もあり、平飼い卵や三色団子、佃煮などの手作り製品がたくさん並んでいて、おいしそうだなぁとついあれこれ買ってしまいます。
また、日曜日には地元の生産グループの方たちが「かやぶきの里市」を開いて、低農薬野菜を中心にその季節ならではの花やおにぎりなどを販売しているそうです。新鮮な野菜や素朴なおいしさが人気で、閉店までに売り切れてしまうものが多いとか。

この萱葺きの里の景観を守り、特産品づくりなどを行っているのは地域の住民の皆さんです。全国の山間地域の例に漏れず、美山町でも過疎化、高齢化が進んでいますが、住民の皆さんが一丸となって、自分たちできまりを作って歴史的集落の維持と景観保全を行い、また、住民出資で有限会社を設立して、「日本一の田舎づくり」を目指してまちづくりを進めておられる。私は「地域力」こそ持続可能で豊かな地域社会づくりの源だと考え、3年前から「地域力再生プロジェクト」を実施していますが、美山の皆さんはまさにそのお手本ですね。美山のかやぶきの里を歩くと、これからも府民の皆さんとともに「地域力再生」を進めていこう、がんばるぞ!と力が湧いてくるのです。

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