社会保障国民会議※は、平成20年1月25日に設置された内閣総理大臣が開催する有識 者会議です。私は本会議の委員として地方自治体からは唯一選任され、また、所得確保・保障分科会にも参画し、全国知事会を通じて集めた具体的事例や府の労働相談所に寄せ られた声なども紹介しながら、次のような主張を行ってきました。
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1. 財政抑制策の中で、社会保障制度の改革が必ずしも現実に即していない、矛盾点が生じてきていることを指摘、セーフティネット機能の充実へ思い切った舵をきる こと。
2. 制度を給付を行う側の縦割りの論理ではなく、受ける側からみて、もっとシンプルに、地域の実情に応じた柔軟な制度に変えていくことによって、住民本位の社会保障制度へ変えること。
3. 国の給付事業だけを考えるのではなく、地方自治体が施設整備を支え、そして、例えば老人医療や子育て支援医療等の単独施策で補完をして、高齢化社会の住民の安心を支えている状況を十分踏まえた財源措置が必要なこと。
4. 非正規雇用の増大が深刻な状況をもたらすことを懸念。若い人が経験を積み、正規雇用に移行できる政策や、非正規雇用に係る法令遵守の仕組み、実効ある救済措置が必要であること。
社会保障国民会議は臨時的な組織であり、平成20年11月4日に最終報告をとりまと め、その役割を終えていますが、最終報告には、私の主張を一定盛り込んでいただきました。後期高齢者医療制度など、地方の意見も取り入れながら社会保障制度の具体的な 改革議論が進んできています。
参考:最終報告とりまとめに当たり、私が提出した意見書から
1.公費負担に係る財源の確保
今後、社会保障財源確保の議論を進める上で、忘れてはならないのが、いわゆる「社会保障給付費に含まれない地方の社会保障関係給付・サービス」の存在で あります。
この中には、どの都道府県でも等しく実施している障害者や乳幼児の医療費助 成、障害者共同作業所への助成などがあり、国民の安心感という点で言えば、も はや、ナショナルミニマムになっているといっても過言ではありません。
また、現在、喫緊の課題である救急医療なども、国の制度では支えられず、救命救急センターの運営費について多くの都道府県が単独で助成しているのが現状であります。このような国の社会保障給付費に含まれない地方自治体の負担は、現状でも約8兆円に及んでいるといわれているところです。また、特定疾患治療 研究事業など難病関係の補助金なども、地方の単独負担で国が設計した制度が支えられております。
このような現実があること、そして、こうした地方負担について、しっかりと した手当をしていくことは、「将来の課題」のみならず、「現在の問題」でもある ことを強く申し上げたいと思います。
2 利用者視点からみたサービスの再構築
社会保障のあり方を考えるに当たり、「国民の目線」で議論を進めていくこと が何より重要だと考えます。
これまでの会議を通じ、複雑で多数の制度が乱立しており、行政のプロと言わ れる人でも全体像を把握しにくい状況にあることを、例えば、障害者給付金や雇 用の関係での給付金などを例に申し上げてまいりました。
最終報告にも盛り込んでいただきましたが、(1)分かりにくい制度を分かりやす く、(2)複雑な制度を単純に、(3)分かれているものをまとめてワンストップで、そ してより住民に近いところで という方向性をしっかりと持って制度改革を進めて いく必要があるのではないでしょうか。
複雑すぎる制度は、現在問題になっている年金制度の運用をめぐる事態などを みても、サービスを利用する側はもとより、制度を運用する側にとっても、誠に 不幸なことであると言わざるを得ません。複雑すぎる制度は、国民の目が届かな いブラックボックスとなり、制度の信頼を損なう遠因となることに留意すべきで あると考えます。
まさに今、地方分権改革について、地方分権改革推進委員会が第2次勧告をま とめるという時期にきておりますが、国民の目から見て大切な事は何かというこ とをぶれない軸としてしっかり維持して改革議論を進めていく必要があり、それ こそがまさに地方分権の意義でもあると感じております。


